有給休暇を全て消化しないことは、消化しなかった日数分タダ働きをしていることと同意である。

この記事の結論は題名の通りなので、以下はその理由を述べていきます。

 

有給休暇取得の義務化

みなさんも、会社から有給休暇を毎年10ー20日分もらっていると思います。

最近の大企業なんかでは、厚労省からの「働き方改革」の旗振りの下、「○○%以上の有給休暇消化の義務化」が実施されていたりします。数年前までは有給休暇の消化なんて夢のまた夢だったらしいので、随分と恵まれてますよね。

しかし本当のことを言えば、現状は「恵まれている」どころか、「やっと労働者が自らの労働力を適正価格で売り出した。」に過ぎないのです。

 

 

会社は労働者の給料をどう計算しているか

会社は、あなたが有給休暇を全消化する前提であなたのサラリーを決めています。

たとえば、あなたの会社が年間の休日日数を115日(厚労省発表の労働者一人当たりの平均休日)と定めているとします。この休日日数とやらには有給休暇分は含まれません。なので、例えば有給休暇が20日付与される方であれば、年間休日日数は115+20=135日となります。

会社はあなたが135日休む前提で、あなたの給料を決めています。つまり、365-135=230日分の給料を、あなたに支払っているのです。

 

 

有給休暇を全消化しないとどうなるか?

会社はあなたに230日分の給料しか払いません。あなたが有給休暇を一切消化せず、20日余計に働き、結果として年間250日働いたとします。

その場合でも、会社から「よく頑張ったね!じゃあ250日分のお小遣いあげる!」とはなりません。230日分以上の給料は、ビタ一文払いません。もしもらったことがある人がいたら教えて欲しいくらいです。(有給休暇を買い取る企業もあるそうですが、一般的でないと思うので省きます。)

つまり、有給休暇を消化しなかった日数分、あなたはタダ働きをしているということになるのです。そしてこのことは、数年前の日本企業においては当たり前のことだったのです。

 

なんで有給休暇消化が推進されていなかったか。

簡単です。会社が労働力をタダで買い叩くことができたからです。会社様にとって、こんなウマい話はありません。

想像してみてください。あなたが従業員1000人の会社のオーナー社長だとします。その1000人全員が、年間20日も「無給で」、「文句も言わずに」、「余分に」働いてくれるとしたら?

一人日給1万円として、1万円×1,000人×20日=2億円もの労働力を、毎年タダで買うことができます。日給が2万だとしたら4億円。もちろん人数が増えれば、それだけ経営者にとっては「お得」になるわけです。余ったお金で新しい投資を行えるし、私腹を肥やすことだってできます。こんな美味い話、一体誰が捨てるでしょうか?

 

 

日本の労働者はなぜ有給休暇取得を消化しなかったか。

日本は有給休暇の消化率が先進国の中でも最低レベルだということは皆さんもご存知のことかと思います。なぜか?私が自分の会社で感じる理由を、いくつかあげてみようと思います。

 

1:「長時間労働=会社のために頑張っている」という考え

そもそも、会社と雇用契約書で結んだ時間以上に働くこと自体が私にとってはアホの所業にしか思えません。(残業代がしっかり支払われる場合を除く。もちろん、サビ残=無償労働なんてもってのほかです。)

しかし、とりわけ40代より上の諸先輩方は「長時間労働による自己犠牲=会社に貢献している」という思考回路を地で行っているようにしか見えません。もちろん彼らに、有給休暇を全て消化しようなんていう考えは生まれるはずがありません。

この前も、毎日21時〜22時くらいまで残って仕事をしている若手Aさんに対し、40代の上司が「Aはいつも遅くまで残ってるな!いつも俺はこいつと帰りが同じなんだよ!」と、嬉々とした顔で話していました。

正直、心の中では「この人頭おかしいでしょ。」と思っていました(笑)。今の職業はみなし労働制で、長時間働いても残業代は出ません。それならば、決められた労働時間内に仕事を終わらせ、さっさと帰って自分のスモールビジネスに時間を投資する方がよほど有意義です。なのに所定労働時間以上に働くのなんて、貴重な自分の労働力と時間をタダで売っているようなものです。

 

2:労働者が会社に全依存している

「有給休暇を全て消化できないのはおかしい!こんな会社ふざけてる!」なんて声をあげる日本人はいないでしょう。

そもそも日本人は「雇用主と従業員は対等な関係」という意識が弱いですし、加えて収入の全てを会社様に依存しております。その理由は副業禁止規定にあります。

日本のほぼ全ての企業が就業規定に「副業を禁ずる」と記載しています。(ちなみに法律で副業を禁ずることはありません。ただの会社の「ルール」です。)

その結果、労働者は自分が勤める会社の給料に衣食住の全てを依存せざるを得なくなります。会社は副業を禁ずることで、「サボればクビにして食いっぱぐれるぞ?それが嫌なら、唯一の食い扶持であるうちで一生懸命働け!」と従業員に暗に伝えているのです。

実際、あなたが明日も会社に行く理由はなんですか?なぜ行かないといけないのですか?

なぜなら、行かなければ最悪クビにされ、唯一の食い扶持を失うと思っているからでしょう。そして、あなたやあなたの家族が路頭に迷うからでしょう。(実際は生活保護などのセーフティネットがありますが。)

「明日食べるモノに困りたくない」という恐怖心が、サラリーマンを毎朝会社へ向かわせる大きなモチベーションとなっていることは間違いありません。私はこれが嫌なので、不動産賃貸業などを駆使して会社からの依存脱出を図っているのです。

 

3:仕事以外にやることがない

実際はこれも多いと思います(笑)。やはり40代以降の先輩に多いです。

「休んだって、何をしたらいいかわからない。」とかいってる先輩を見たことがあると思います。まさに仕事人間ですね。

会社にとってこれ以上に使い勝手のいい従業員はいません。会社の仕事以外に何もできないほどに仕事を与えられてきた先輩が、いきなり空白の時間を持ったら、そりゃやりたいことなんて何も思いつかないだろうし、「休みとっても家に居場所がない」となるわけです。

 

 

まとめ

まとめです。日本人は、様々な理由で有給休暇消化率がワーストレベルでした。それも国の主導でやっとこさ変化が見られますが、全消化まではまだまだ時間がかかりそうです。

有給休暇とお給料の関係を知れば、消化しなかった日数分をあなたはタダ働きしている(ご主人様に貴重なあなたの時間と体力と気力をタダで献上している)ことがおわかり頂けたかと思います。

タダ働きはやめましょう。貴重なあなたの時間と体力です。適正価格で会社に売ってやりましょう。そして長時間労働する代わりにさっさと帰って、自分のスモールビジネスに時間と体力と気力を投資していきましょう。